UNZEN ROAST LOG
焙煎研究ノート
研究LOT:2025/10/12-01
親豆:735
FC前後の熱量を滑らかに整え、甘さと透明感の両立を狙ったゲイシャの中浅煎り。

この焙煎について
高めの投入温度から乾燥と褐変を効率よく進め、FC前後は段階的な減火でRoRを滑らかに下降。前回より甘さと質感を重視しながら、ゲイシャの華やかさを残すことを狙ったプロファイル。実飲とAgtron測定により最適なDROP位置を検証する。
基本データ
温度・時間
ABC焙煎メモ
雲仙麓珈琲では、焙煎をA・B・Cの3区間で記録しています。Aは「投入〜DE」、Bは「DE〜FC開始」、Cは「FC開始〜DROP」です。FC終了やSC開始も補助指標として記録し、Cフェーズ内の熱の入り方を検証します。
ABC重点
前回の長いBとFC前後の熱量断絶を改善し、BからCへのエネルギー連続性を確保する
A|熱を入れる土台づくり
投入〜DE温度目安:181.0℃ → 150.3℃
目的:水分を抜きながら、豆の内部まで熱を入れる
高めの投入温度と序盤の増火により乾燥を効率化し、DEを5分以内へ収める
B|甘さと香ばしさの骨格づくり
DE〜FC開始温度目安:150.3℃ → 198.4℃
目的:メイラード反応で甘さと香ばしさを形成する区間
段階的な減火を行いながら4分30秒前後でFCへ入り、香りと甘さの土台を形成する
C|味わいの仕上げ
FC開始〜DROP温度目安:198.4℃ → 214.0℃
目的:酸味・甘味・苦味・余韻を最終調整する区間
FC後の増火を避け、下降RoRを維持しながら2分30秒で甘さ、質感、余韻を形成する
今回の狙い
Aで十分な初期熱量を与えてDEを前進させ、Bを過度に引き延ばさずFCへ接続し、Cでは増火せず自然な下降RoRのまま甘さと質感を形成する
ABC結果
A40.6%、B38.4%、C21.0%。前回2025/09/28-03のA39.3%、B47.0%、C13.7%と比較すると、A比率はほぼ同等だが、Bを大幅に短縮し、その分Cを長く確保した構成。BからFCへの熱量連続性は改善し、FC後のRoRも安定した。味は前回より酸の鋭さが抑えられ、甘さ、ボディ、余韻が増すと予測する。一方、ゲイシャらしい高い香りと透明感に対してC21.0%が過剰でないか実飲確認が必要。
次回仮説
今回のAとBおよびFC前後のガス操作を維持し、Cのみを2:00~2:15、DROP210~212℃へ変更した比較焙煎を行う。これにより、今回得られたRoR安定性を保ちながら、フローラル、明るい酸、透明感を増やせるか検証する。
環境
カッピング評価
実飲コメント
実飲コメント未入力。プロファイル上は、前回より酸が丸く、甘さと質感が増し、味のまとまりが改善すると予測する。一方、ゲイシャのフローラル、柑橘系の明るさ、透明感は、DROP214.0℃とC2:30により前回より穏やかになる可能性がある。味については実飲前の仮説であり断定しない。
RoR分析
序盤ピーク後は全体として明確な右肩下がり。前回2025/09/28-03で確認されたFC前後の大きなクラッシュと終盤フリックは大幅に改善している。DE前後と6分付近に小さな波打ちはあるが、FC進入時はRoRを保持し、FC後は概ね連続的に下降してDROPへ到達している。FC直後に一時的な小さな落ち込みと戻りがあるものの、重大なクラッシュとは判断しない。C後半はRoRが約3~4℃/minまで低下しており、フリックを抑えた安定した終盤。ただしDROP214.0℃、C21.0%で前回より熱進行が大きく、華やかさより甘さとボディに寄る可能性がある。
焙煎メモ
火力メモ
投入時ガス1.0。TP付近までに1.5へ上げ、約1分30秒で3.5へ増火。DE後も3.5を維持し、約6:00で3.0、約7:30で2.5、約9:00で2.0、FC後約10:25で1.5へ段階的に減火。FC後の増火は行わず、終盤まで減火方向で管理した。
排気メモ
投入時から排気2.5を維持したと画像から読み取れる。明確な変更イベントは確認できない。
異常・気づき
投入181.0℃、TP1:12、DE4:50、FC9:24、DROP11:54。A4:50、B4:34、C2:30で、前回2025/09/28-03よりFC到達を1:44前進させ、Bを1:30短縮。Cは44秒延長され、DROP温度も206.0℃から214.0℃へ上昇している。SC開始イベントは確認できない。
総評
総評コメント
前回2025/09/28-03ではFCが11:08と遅く、FC前後に大きなクラッシュとフリックがあった。今回は投入温度を129.5℃から181.0℃へ上げ、序盤から十分な熱量を与えたことで、DEを14秒、FCを1分44秒前進させた。特にBは6:04から4:34へ短縮され、FC後の増火を行わず段階的な減火でRoRを下降させた点は明確な改善。ただし前回とは投入量、投入温度、DROP温度、C時間が同時に変化しているため、どの要素が味に寄与したかは分離して検証する必要がある。
次回改善
まず今回を実飲し、前回2025/09/28-03と香り、酸、甘さ、質感、余韻を比較する。華やかさが弱い場合はRoR形状を維持したままDROPを210~212℃またはCを2:00~2:15へ短縮する。甘さとクリーンさが良好なら今回を基準プロファイル候補とし、焙煎後重量とAgtron豆・粉を記録する。