UNZEN ROAST LOG
焙煎研究ノート
研究LOT:2026/07/29-01
親豆:735
色ムラ豆を丁寧に取り除き、クリーンで青臭さのない飲みやすさに仕上げたゲイシャG3。

この焙煎について
FC後1分56秒、208℃で仕上げたゲイシャG3。焙煎直後には色ムラが見られたため、目視選別を行ってから品質を確認した。選別後は青臭さや強いネガティブが少なく、クリーンで軽やかに飲みやすい浅煎りとなった。
基本データ
焙煎色|Agtron
豆の表面色と粉砕後の色を数値で記録し、焙煎プロファイル・重量減少率・実飲結果とあわせて検証します。
Agtron値は焙煎色の客観的な記録として使用し、単独で品質や内部の火通りを判定するものではありません。
温度・時間
ABC焙煎メモ
雲仙麓珈琲では、焙煎をA・B・Cの3区間で記録しています。Aは「投入〜DE」、Bは「DE〜FC開始」、Cは「FC開始〜DROP」です。FC終了やSC開始も補助指標として記録し、Cフェーズ内の熱の入り方を検証します。
ABC重点
ABC比率を大きく変えず、AからBにかけての受熱均一性とFC前後の熱量連続性を改善し、ハンドピック前のロット全体の色ムラを減らす
A|熱を入れる土台づくり
投入〜DE温度目安:124.6℃ → 150.1℃
目的:水分を抜きながら、豆の内部まで熱を入れる
300gを4分30秒前後で均一に乾燥させ、豆ごとの水分抜けと表面色の差を抑える
B|甘さと香ばしさの骨格づくり
DE〜FC開始温度目安:150.1℃ → 196.7℃
目的:メイラード反応で甘さと香ばしさを形成する区間
再増火を避けた連続的な減火で褐変反応を進め、甘さと香りの土台を均一に形成する
C|味わいの仕上げ
FC開始〜DROP温度目安:196.7℃ → 208.0℃
目的:酸味・甘味・苦味・余韻を最終調整する区間
FC後約2分、18%前後で終了し、明るい酸を保ちながら青臭さのない発達とクリーンさを確保する
今回の狙い
AとBを約4分30秒ずつ確保し、Cを2分弱にまとめて、ゲイシャG3の明るい酸と香りを残しながら、青臭さのないクリーンな浅煎りを形成する設計
ABC結果
A42.0%、B40.2%、C17.8%。ABC比率は比較的均整が取れており、選別後の実飲で青臭さがなくクリーンだったことから、中心的な焙煎進行は成立していた。一方、Aでは低い投入温度から急増火し、B前半までに再増火が入り、C直前には排気を大きく変更している。時間配分が適切でも、フェーズ内の熱量変動により一部の豆に色差が発生した可能性がある。Agtron中央値64.0と測定幅2.0は色ムラ豆を除去した後の値であり、全体のムラ評価には使用しない。
次回仮説
投入温度を140~150℃へ上げ、TP後はガス4.0~4.5を上限として再増火せず、DE後から3.5、3.0、2.5へ段階的に減火する。A4:20~4:40、B4:10~4:30、C1:45~2:00を維持し、ハンドピック前の色ムラ豆割合とAgtron測定幅が縮小するか検証する。
環境
カッピング評価
実飲コメント
目視で色ムラのある豆をハンドピックで除去した後にテイスティング。ネガティブな印象は少なく、クリーンで青臭さもなく、飲みやすいゲイシャという印象。したがって、今回の実飲結果は焙煎直後の全量ではなく、選別後の良品豆に対する評価である。
RoR分析
序盤ピーク後は大局的に下降しているが、ガス4.0から5.0への再増火付近でRoRが盛り返しており、完全に滑らかな右肩下がりではない。DE後からFC前にも細かな波がある。FC直前の排気4.0への変更後、FC開始付近からRoRが急低下し、9分台前半にクラッシュ、その後に一時的なリバウンドを形成して終盤は再下降している。排気変更によるセンサー応答も含まれる可能性があるが、熱量と排気の切り替えは不連続。Agtron62.9~64.9、測定幅2.0は色ムラ豆除去後の選別済みサンプルの結果であり、焙煎直後のロット全体の色均一性を示す数値ではない。
焙煎メモ
火力メモ
投入後は低火力で開始し、約1分20秒でガス5.0へ増火。その後、約2分20秒で4.0へ減火した後、約3分20秒で5.0へ再増火。以降は約4分45秒で4.0、約5分50秒で3.5、約6分50秒で3.0、約8分35秒で2.5へ段階的に減火したと画像から読み取れる。序盤から中盤にガス5.0、4.0、5.0という往復操作がある。
排気メモ
投入からFC直前まで排気2.5を維持し、約8分40秒からFC開始前後に排気4.0へ増加。そのままDROPまで維持したと画像から読み取れる。
異常・気づき
投入124.6℃、TP1:00、DE4:34、FC8:56、DROP10:52。A4:34、B4:22、C1:56で、AとBをほぼ同程度に確保した浅煎りから浅中煎り設計。焙煎後重量258.1g、重量減少率14.0%。焙煎直後の全体には目視可能な色ムラがあり、その色ムラ豆をハンドピックで除去した後にAgtron測定とテイスティングを実施した。
総評
総評コメント
ABC配分はA42.0%、B40.2%、C17.8%で、時間配分自体は比較的整っている。色ムラ豆除去後のAgtronは62.9、64.9、64.0で中央値64.0、測定幅2.0。これは選別後サンプルの均一性を示す補助情報であり、焙煎直後のロット全体に存在した色ムラを否定しない。ハンドピック後のカップが良好だったことから、中心的な焙煎度と発達は成立しており、ネガティブが一部の色ムラ豆に集中していた可能性がある。今後は選別前後を分けて評価する必要がある。
次回改善
次回は投入温度を140~150℃へ上げ、最大ガスを4.0~4.5程度に抑え、途中の再増火をなくして一方向に減火する。FC前後の排気は2.5から3.0、FC後に4.0と段階化する。Agtronはハンドピック前の無作為サンプル、色ムラ豆、ハンドピック後の良品豆に分けて測定し、ムラ豆の重量割合も記録する。